心身の弱った高齢者を介護する現場では、高齢者の健康維持に努めなければなりません。高齢者の健康を維持するためには、体温や血圧などのバイタルサインをはじめ容態の変化についてきめ細かくチェックし、常に健康状態を把握することが必要です。介護職員は、看護師等の医療従事者をサポートして、血圧や心拍数を測定するバイタルチェックを行います。また、運動機能が低下しないように、行動療法士と協力して機能訓練を施すことも欠かせません。
身体を積極的に動かせば、筋肉がほぐれ血行も良くなって、リフレッシュできるでしょう。食事や移動など日常的な活動においても、可能な限り自力でこなせるよう促すことも重要な仕事です。無理強いは好ましくないですが、何でも手を貸して高齢者が依存的になることは避けなければなりません。自力で挑戦しようとする姿勢を促すには、介護職員と高齢者の信頼関係が不可欠でしょう。信頼関係が無いと、自力の活動を促すことが、職員の手抜きと勘違いされてしまうおそれがあるのです。
信頼関係を築くために、日頃から食事時など会話を交わしてコミュニケーションを図ることが必要です。高齢者の健康維持のためにも、こまめな声かけが欠かせないと言えるでしょう。それから、毎日の新鮮な刺激も大切です。楽しいレクレーションやイベントを企画して、高齢者の脳の活性化を促進しなければなりません。フロアに綺麗な花を飾って高齢者の目を楽しませたり、名曲を聴かせて心を和ませたりするなどの工夫も、高齢者の心身の健康維持に大いに役立ちます。